他の自動機屋さんと違う所
真鍮加工の得意な小さい部品の切削加工専門メーカーの弊社が他の自動機屋さんと違う所といえば、自社改造のマイコン制御のカム式自動旋盤があることが一番の違いです。
(我々の業界では、自動旋盤加工業の会社のことを 『自動機屋』 と呼びます)
一般的にカム式自動旋盤で雄ネジの加工をする場合には、ダイスと言うネジ切り工具を使います。切削ダイスでのネジ加工は、NC自動旋盤で行うバイトによるチェーシング加工に比べて、手間の掛かる割にはネジ精度やネジ形状で満足できるネジを製作するのは容易では有りません。
弊社のマイコン制御のカム式自動旋盤は、本来はカム式自動旋盤ですがNC自動旋盤と同じようにバイトによるチェーシング加工でネジを切削加工しますので、精度や形状の良いネジが製作できるのです。
また、マイコン制御のカム式自動旋盤は小さい機械で、馬力がなくて、ひ弱ですが、機械が小さいので早い動きが得意です。
改造の母体となっているカム式自動旋盤は、1960(昭和35)年〜1963(昭和38)年に製造された野村精機のP-8型カム式自動旋盤です。このP-8型カム式自動旋盤は、ネジを作るのに特化した設計で、"すりわり"を加工できるようにツマミ装置が付いています。
このツマミ装置はピックアップ装置で、小さ〜い部品を切り粉から選別する効果も併せ持っていますので、小さい部品の回収効率も高いのです。
市販のキャッチャーよりも、はるかに高い回収効率です。
P-8は当時の野村精機で、1000台くらいが製造されたと聞いています。それから50年以上が経た今、そのP-8型カム式自動旋盤は、弊社を除けば現役では稼動していないでしょう。
P-8型カム式自動旋盤だけではなく、全てのカム式自動旋盤がNC自動旋盤に取って代わられているのが、今の日本の自動機屋さんの現状です。
でも、製品1個当たりの生産時間が5秒より短いもの(4秒/ケ、3秒/ケ、2秒/ケ、1.5秒/ケ)では、NC自動旋盤もカム式自動旋盤に太刀打ちできません。
それでも、古いカム式自動旋盤では手間隙かかって、全体的な生産性の上がらないのが普通ですから、NC自動旋盤への転換は、やむを得ず正しい選択なのでしょう。
中小企業では生き残るために、次から次へと新しい能率の良い機械を買わなければならず、「機械メーカーを儲けさせる為に働いているようだ」と、仲間のある社長さんが嘆いていました。
弊社では生き残るために、世界中で我社にしかないマイコン制御のカム式自動旋盤を、これからも改造に改造を重ねて参ります。
弊社独自の、真鍮の切削加工に適したマイコン制御のカム式自動旋盤の詳細な特徴はこちら で述べています。
そんな弊社の特徴を遺憾なく発揮するために。
- 量産は、マイコン制御のカム式自動旋盤での製造にこだわっています。
試作にはNC自動旋盤も使いますが。
- 得意な材質を、真鍮(非鉄金属)に絞っています。
- 特に得意な大きさは、太さがφ3以下で、全長が5mm以下です。
- 得意なものとしては、チェーシング加工による各種の小さいネジ(平小ねじ、皿小ねじ)や小さい真鍮製のリードスクリューや、小さい真鍮製のウォームネジです。
- それと、客先から、ただ言われたままには作りたくない、のです。
より良い部品を、より安く作るため、切削加工のプロとしての提案・進言をさせて頂きたいのです。
Q(quality):品質
C(cost):コスト
D(delivery):納期
S(service):技術サービス
Q.C.D.S の徹底のために、自動旋盤とその周辺装置、それらの制御ソフト、切削工具(バイト)、冶工具、の自社設計、自社製作に、こだわっています。
部品1個当たりの生産時間は短いままに、加工工程に柔軟性を持たせるため、また品質を安定させるために、マイコン(マイクロ・コンピューター)による制御と監視で古いカム式自動旋盤をマイコン制御のカム式自動旋盤に改造しました。
弊社は、『小さいイモネジの専門メーカー』として、デルスクリューの製造・販売をしています。
イモネジとは、「すりわり付き止めねじ」のことで、止めネジとか、押しネジとか、虫ネジと呼ばれています。また、「六角穴付き止めねじ」もイモネジと呼ばれます。
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