小さい部品の切削加工専門メーカー・斉田製作所
弊社は小さい金属部品・パーツの切削加工専門メーカーとして、また切削部品製造のプロとして、 機械を使う立場で独自開発した世界で唯一のマイコン制御のカム式自動旋盤を使って、 真鍮製の切削部品の安定した品質と低価格、コスト削減でお役に立ちたいですし、 精度の高い小物ねじ部品製作でも、きっとお役に立ちます。 有限会社 斉田製作所
〒197-0831 東京都あきる野市下代継292
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切削部品の作り方は?

 丸物切削部品・パーツの事を、我々の業界では【挽き物(挽きもの・ひきもの)】と呼びます。
 その【部品(挽き物)】をカム式自動旋盤で製作する時の、加工工程設計(カム設計)をご説明します。
 小さい部品の切削加工専門メーカーの弊社でも、部品を作る時は同様の工程設計を行います。


サンプル部品

 まずは、下記のような部品を、製作するとします。

  • 材質 : C3604(LCd)
    C3604 : 黄銅(真鍮)
    LCd : ロー・カドミ材(75ppm以下)
  • 材料外径 : φ2.5mm
  • 全長 : 2.5mm±0.03
  • 前に1段 (φ1.3mm±0.03 × 長さ1.5mm±0.05) あり
  • 各角は、面取りを行う。
  • ダボ(ヘソ・ポッチ・ボッチ)は、凸0.15mm以下

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 部品を、製作する時の加工工程設計(カム設計)を行うには、この部品を作る数量を勘案することが重要です

 それは、この部品の1個の生産時間とセット替え時間が加工工程設計(カム設計)に大きく関わってくるのです。 正確には、工程設計をしないと生産時間の割り出しは出来ないのですが、この部品の1個の生産時間は長年の経験で、 2秒前後でしょう。

 2秒で部品1個ができるとすると、1時間では1,800個できます。1日の自動旋盤の稼働時間を20時間とすると、1日では1,800 × 20=36,000個できます。

 この計算は単純化しています。
 実際には、部品の精度にもよりますが寸法調整の時間、切り粉掃除や給油の時間、材料交換等の時間が掛かりますが、それらを全部足して4時間とし、稼働率を100%としています。

  1. 数量が少ない(〜10,000個)場合には、セット替えに時間の掛かるカム式自動旋盤では、1個の生産時間を少なくするメリットが余り出ません。
    1個の生産時間が多少長くても、セット替え時間の少ないNC自動旋盤で作った方がメリットがあるでしょう。
  2. 数量が中程度(10,000個〜100,000個)の場合には、1個の生産時間を少なくするよりも、品質の安定とセット替えを簡単にする製作方法を取ります。
  3. 数量が大程度(100,000個〜800,000個)の場合には、品質の安定度と1個の生産時間を少なくする事を考え、セット替え時間の短縮は余り考えません。
  4. 数量が極大(800,000個〜)の場合には、実際に製作しながら自動旋盤の動きを観察し、0.01秒単位での時間短縮を試行します。

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 工程設計をする時に重要な概念として、「切削速度」と「切削送り」があります。我々の専門用語ですが、 詳しい説明は「自動旋盤での、切削速度とは」、 「自動旋盤での、切削送りとは」、をご覧下さい。

 今回は、この部品・パーツを50,000個を作るとします。

 つまり上記の2. 数量が中程度(10,000個〜100,000個)から、「1個の生産時間を少なくするよりも、品質の安定とセット替えを簡単にする方法」を選びます。

 主軸の回転数は、6,000rpmとします。
 この時の切削速度は、2.5 × 3.14(円周率) × 6000 ÷ 1000=47.1m/分です。
 6,000rpm辺りの主軸回転が、品質の安定には安心できます。(ここの値は、4,000rpm 〜8,000rpm 位の範囲内で設計者・作業者の自由裁量部分です)

 この部品・パーツを切削する(削る)ところは、下記の三箇所です。

  1. φ1.3 × 長さ1.5mm の横削り加工。
    φ2.5 からφ1.3 に削りだすので、切り込み量は(φ2.5 − φ1.3) ÷ 2 = 0.6mmとなります。横削り長さは、1.5mmです。
    ここの切削送りを、0.04mm/r とします。(ここの値は、0.01mm/r 〜0.10mm/r 位の範囲内で設計者・作業者の自由裁量部分です)
  2. φ2.5 の突切り工程。
    ここの切削送りを、0.02mm/r とします。(ここの値は、0.007mm/r 〜0.04mm/r 位の範囲内で設計者・作業者の自由裁量部分です)
  3. 突切り後の、ダボ落ち工程。
    突切りバイトの幅を1.0mmとし、その刃先角度を30度とします。ここの切削送りを、0.05mm/r とします。(ここの値は、0.03mm/r 〜0.06mm/r 位の範囲内で設計者・作業者の自由裁量部分です)
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 上記切削工程に必要な時間を計算するために、各工程に必要な主軸の回転数を計算します。

  1. 1.5mm ÷ 0.04mm/r = 37.5回転
  2. (2.5 ÷ 2 + 0.1)mm ÷ 0.02mm/r = 67.5回転   (+0.1mmは外径の安全分です)
  3. (1.0 × tan30 + 0.05)mm ÷ 0.05mm/r ≒ 13回転  (tan30=0.57735・・・)

 切削工程に必要な主軸の回転数=(37.5 + 67.5 + 13)回転 = 118回転です。
 6,000rpmで回る主軸の118回転は、1.18秒です。
 この1.18秒が、この部品・パーツを製作する時に切り粉の出ている時間で、これを生産時間と言います。

 これに切り粉の出ていない下記の時間(非生産時間)を加えます。

  • チャック開き、ヘット戻り、チャック閉り、の時間を、0.5秒間。
  • 1段だけの段削りバイトの逃げ時間を、0.15秒間。
  • 材料の前進時間を、0.2秒間。
  • その他の安全時間を、0.1秒間。

 非常にザックリとした工程設計ですが、切り粉の出ている生産時間と切り粉の出ていない非生産時間を加えると、(1.18 + 0.5 + 0.15 + 0.2 + 0.1)= 2.13秒間となります。

 予想の2.0秒よりも、0.13秒間長くなりました。

 

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